過去ログ - とある学生の雷神右方-Reincarnation-
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75: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/08/21(木) 23:18:35.03 ID:ovA9n6VY0

スーパーで食料の買い出しをしていると、何だか新婚夫婦みたいだ。

別に、結婚していた時期のことを忘れている訳ではないけれど。
学生服のトールと一緒に買い物をするというのは何だか新鮮だ。
彼は何も覚えていないが、それでいい。その方が幸せだ。

「生クリームと、…苺は高いな」
「葡萄で良いんじゃねえの?」
「剥くのが大変だろう?」

言いつつ、葡萄のパックをカゴへ。
皮ごと食べられるタイプのもので、これなら剥く必要がない。

「桃とみかんと、……チョコレート」
「何種類作るつもりだよ」
「1ホール6種類のつもりだが」

材料をカゴに入れ、周囲を見回す。
目新しいものはなかったし、買い物はこれで充分だろう。

「……トール」
「何だよ?」

一緒に飲み物を選びつつ、呼びかけてみる。
スポーツドリンクと果汁10%ジュースで悩みながら、彼は返事をした。

「ケーキを作ると、焼き始めが夕方になる。
 焼き上がりと同時に夕飯を口にしても、完全な出来上がりは夜になる。
 前置きはここまでにして、本題を申し出るとしよう。……泊まっていかないか」
「ふ、……くとか、ねえんだけど」
「……親代わりが使わないで残したままの服がある。
 少しサイズが大きいかもしれないが、恐らく着られるだろう」
「………」
「……会計をしよう」

葛藤気味のトールを横目に、カートをレジへ押し進める。


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