過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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15:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 02:56:51.28 ID:igNzDGpD0
「それをこうも恩を仇で返されては、過激な対応もやむなしだな。
くく、今現在表示されている彼女の脳波から、いったい何が読み取れると思うね?」

我に返った上条が木原を見上げる。

「必死に許しを乞うているようだよ。記憶を上書きされるストレスから解放されたくてね」

「――――ッ」

「生意気にもわたしの予想を超えた時間粘ってみせたようだが、結局最後には命惜しさに泣き落としというわけだ。
レベル5だなんだと粋がったところで、所詮は無力な小娘に過ぎんな」

心臓の鼓動が異様に加速するのを上条は感じた。
かっと、頭から沸き立つ湯を浴びせられたかのように全身が熱されている。
力を振り絞り、横倒しになった体を必死に支える。

ここで立ち上がらない足なんて必要ない。
ここで握れない拳など何の意味もない。

馬鹿みたいに酷使し、散々に痛めつけられ、今にも攣りそうになっている右腕を支えに――
残った力を余すことなく掻き集めて立ち上がる。

「おやおや、まだやる気かね? あまり弱い者いじめは好きじゃないんだが」

今も全身を蝕む痛みが、貧血の症状に酷似しためまいを引き起こす。
血と汗の混合物が滴り落ち、冷たく光る床をまだらに染めていく。
浅く繰り返される呼吸は乱れに乱れている。
それでも、力の入り具合を確かめるように手をそっと開き、握り直し、ゆっくりと前を向く。


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