過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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17:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 03:10:30.08 ID:igNzDGpD0
「こ、んのっ! ――どこまで腐ってやがるッ!」

計測対象の危険を知らせるビープ音を聞き、堪らず上条が駆け出した。
そのすぐ足元で、地面に転がっている金属球が勢いよく跳ね上がった。
側頭部に直撃を受けた上条が床を二転三転する。

「がっ……あっぐっ……」

「人の解説は最後まで聞くものだよ。しかし、さすがにこのままでは命にかかわりかねんか。
よかろう、君の勇敢な行動に免じて、気持ち苦痛を和らげてやるとしよう」

計器類に電撃が吸い込まれた直後、先ほどにも増して波形が大きくなった。

「おっと、いかんいかん、一桁間違えてしまった。このままでは呼吸不全に陥ってしまう」

「……や……めろ! それい……じょ、あいつを……傷つけ……んじゃねえ」

本来、呼吸や血圧といった生命活動における数値は安定しているはずだ。
波形の乱れが、食蜂の身に良からぬ何かが起きているということを伝えている。

どうしてだ。
どうしてこんな非道な真似ができる。
しかも心底楽しそうに。

相手の姿が見えず、声も聞こえないという状況が、むしろ上条の焦慮に拍車をかけていく。
目と耳を封じられるだけで、不安ばかりが加速度的に増大する。

「……テ、メェは! ……本当に血の通った、人間なのかよ!」

いいや違う、と木原がすぐさま訂正を求める。

「私は時代を先取りする研究者だ。人類が培ってきた叡智の樹形図を、接ぎ木で限りなく拡大させていく開拓者だよ」


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