過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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7:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 01:52:40.96 ID:igNzDGpD0
「……電撃使い(エレクトロマスター)の能力? なんで、大人に御坂みてえな真似が」

学園都市に子ども以外の能力者がいるなど都市伝説の類でしか聞いたことがない。
だが、それならば、なぜこの男は能力を使えるのか。

「厳密には、彼女そのものではない」

予想とは違う答えを木原が返した。

「我々がクローンの技術に関わっていることは君も知っていたようだな。
が、しかしそのクローンがどのように扱われていたかまでは、聞き及んでいないのだろう?」

木原は何かを上条に説明しようとしていた。
聞くに堪えない何かを。

「絶対能力進化の研究で消費された超電磁砲(レールガン)の妹たち(シスターズ)の中には、
死に損ないや、機能が停止しても臓器が無事だった個体が何百といてね」

消費、死に損ないといった言葉が出るのに合わせて、こめかみが引きつっていくのを上条は感じた。

「君とてこの街で生きていれば、移植やそれに準じた研究の噂などいくらでも聞いたことがあるはずだ。
――と、ここまで言えばわかるかな?」

ついで、その顔にはっきりと怒りの相が現れた。

「地球環境に配慮した、エコロジーさ。用済みになった、そのままでは焼却場で焼かれるだけの運命にあった彼女たち。
それを管轄下の医療機関に払い下げ、人類発展の一助としたのだよ」

「こっ……」

この男は、食蜂のみならず、妹たちまでも食いものにしていた。
絶対能力者実験で地獄のような苦痛を与えられた御坂の妹たちは、死してなお終わることを許されず。
一方通行との戦闘で奇跡的に命を取りとめた妹たちさえ、研究者たちの悪意によって、等しく奈落の底に叩き落とされていた。
信じがたい事実。認めたくない現実。
御坂美琴が知れば間違いなく発狂するだろう内容。

「実用化に漕ぎつけるまでには相当数の被験者が犠牲となったが、手間を惜しまなかったおかげで一定の成果を上げられたよ。
彼女らの脳の一部をわたしの脳に移植できるくらいにはね。今の私はレベル4相当のエレクトロマスターであると同時に――」

10031号まで、第一位、一方通行(アクセラレータ)との戦闘経験を有した能力者でもある。
自らを親指で指し示しつつ、木原が目を血走らせている上条にそう告げた。


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