過去ログ - 姉「でも、自分がいる場所を失ってしまうこともあるかもしれない」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/14(土) 21:47:24.28 ID:izjnFaTMo

俺は買ってきた本をてきとうに捲る。
黄ばんだ紙にはびっしりと文字が整列していて、見ただけでくらくらとしてしまう。
けっきょく三ページほど読んでから栞をはさんで、鞄にしまった。

ぼけっとしながら買ってきたレモンティーで喉を潤していると、
男の子ふたりと見覚えのある制服を着ている女の子が、
ボールを持って公園へ走ってくるのが見えた。明日来と有栖と、誰だろう。

「あっ!」と明日来が俺を指差して言うと、「あっ!」と有栖が俺を指差して言った。
次に「あっ」と言ったのは制服の女の子――江良さんだった。最後に俺が「あっ」と言った。

「ろんちゃんひさしぶり!」明日来が俺にボールを投げつける。

俺はそれを腹で受ける。痛かった。「ここはボール遊び禁止だけど」

「バレなかったらだいじょうぶだって」

「なるほど」と俺は言う。「それはまあいいけど、なんで江良さんが」

「サッカーするけど人数が足りないって、有栖が言うから」と江良さんは言った。

「ろんちゃんが来てるなんて知らなかったし」と有栖は言った。

「誰にも言わなかったし」と俺。「べつに俺は見学でもいいけど」



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