9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/17(火) 03:09:09.87 ID:/eWvdN5Bo
「恋人かい」神父は楽しそうに笑う
「ちげェ」
そうかそうか、と神父は頷くと少年の言葉を待った
長い沈黙があって、少年は躊躇っているようだった。神父は決して急かしはせず、静かに待った。
「オレは、殺した、人を、たくさン」
ぽつりぽつりと少年は搾り出すように掠れた声で口にした。
「オレはたくさンの人間を傷つけて生きてきた」
神父が少年を見やると、彼は俯き手は微かに震えているようだった。
「後悔しているかい」
神父は咎めるような口調では無く、諭すように彼に尋ねる
「わからねェ」
「赦しを求めているのかい」
「ちげェ。オレは悪党で赦されて良いわけがねェ」
「では君は何を求めるんだ」
「わからねェ。なンもわかンなくなっちまった。力が全てだった。最強を超えた無敵になれ
ば誰も傷つける必要はねェと。最初は何が起こったのかもわからねェまンまだった。一人殺し
て、何も考えねェまま血に染まった。オレは楽しんでた。自分の力の欲するまま数え切れねェ
程殺した。なンでも出来たし、何をしても良いと思ってた。殺すことと壊すことは同じだった」
神父は目を閉じ少年の言葉に耳を傾けていた。
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