113:1[sage]
2014/10/04(土) 23:39:02.67 ID:c4R1WUbH0
先代吹雪「だから子供の頃からずっと、海って怖いもので。泳いだことも無くて、近づくこともあんまりなくて」
先代吹雪「艦娘になったのは、それぐらいしか行き先が無かったからかも知れません。家族もいないし」
先代吹雪「いつかきっと…素敵な真珠を飾って。白いウェディングドレスを着て、お父さんとバージンロードを歩く夢も抱いてたけど」
先代吹雪「それが全部無くなって。海って怖くて、つらいもので、悲しみの象徴」
先代吹雪「だけど…海って、こんなに穏やかなんですね。真珠だって、海から来る」
父「そうだな。海は、優しい顔もある。恐ろしい顔もある」
父「出来ることなら」
父「この真珠が育ったら、君に最高の奴を贈ろう。君がいつか使う為に」
艦娘「…うん! それなら、どんな場所にいたって見える! とても大きいのを贈ろう!」
先代吹雪「…ありがとう!」
艦娘(彼女が飛び切りの笑顔を見せてくれたのは、その時だった)
艦娘「艦娘って、どうやって戦ってるの?」
先代吹雪「まあ、大砲だったり、機銃だったり…空母とかだったら、艦載機とかも飛ばせるよ」
艦娘「飛行機を飛ばすの?」
先代吹雪「うん。弓や、式神とかでね。それぞれ個別の方法で」
艦娘「私にも出来るかな?」
先代吹雪「艦娘にならないと無理かなあ」
艦娘(艦娘という一つの選択肢は、私の心を少しだけ動かした)
艦娘(しかし、それでも真珠に命をかける父の姿と、私自身がまだその事を望んでいた)
艦娘(だが、彼女が来て九日目の朝だった)
父「なんだ? 魚の死体がだいぶ上がってるな…」
艦娘「なんだろう? 色々海に浮いてる」
父「油かな?」
先代吹雪「おはようございます。どうしました?」
父「ああ、海が変なんだ。初めて見るよ」
先代吹雪「…!」
先代吹雪「海に近づかないでください。お願いします。他の人にも伝えてください!」
父「え? だけど…」
先代吹雪「…深海棲艦が来る…!」
父「!」
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