23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/20(金) 23:18:01.82 ID:e5IvpnBoo
P「あと少しだ。お前達は黙って聞いて怖がればいい。時間がない。次だ。
話を一つ。逢魔時の話。
逢魔時とは夕暮れ時の昼から夜に変わる時間帯のことを差し、昔から魔と遭遇する時間だと言われている。薄暗い夕暮れ時に
向こうからやってくるのは誰なのか。知っている人か知らない人か、あるいは人間以外の何かか。
夜というのは昔からこの世ならざる者達の時間と言われている。故に黄昏時である逢魔時は人とそれ以外が混在する数少ない
時間帯なのだ。だからこの時間にはいくつかの逸話が残されている。
そのうちの一つが入れ替わりだ。逢魔時に道を歩いていると、向こうから誰かがやってくる。手を振っているから友人だと思い、
近づいてみたら顔のない自分だった。そして自分に触れられたら、向こう側に行き、こちらには入れ替わった偽者が残る。こちら側に
来るには顔を手に入れなければいけない。だから人の判別がしにくいこの時間帯を狙うんだ。夜になってしまえば人は灯りをつけて
しまう。灯りの元では顔のないことがすぐにばれてしまう。だから灯りをつけている人間には近寄らない。
顔の手に入れた偽者の行為は様々だ。本物そっくりに動くこともあれば、全く違うことをしたりする。偽者次第だろう。一方の顔を取られた
本物は向こう側で生きていくしかない。もちろん逢魔時に偽者から取り返しに行く事は出来る。しかし成功するはずもなく、魔の住む
人外の世界で一人頭を狂わせて死ぬ。
家族や友人がある日から急に人が変わったり、あるいは微妙な違和感を感じるようになったら
もしかしたら本物は逢魔時の向こう側にいるのかもしれない。
以上」
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