過去ログ - P「律子の淹れるコーヒーはすげー苦い」
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42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/23(月) 10:29:37.89 ID:7b2UHG2Go
「じゃあ、これにします」

「かしこまりました」

 彼は時計を元の場所へ置いた。そしてカウンターへと戻り、その後方の薄暗い戸口に入った。
一、二分間を空けて帰ってきた彼の手には四角の箱がある。

 彼がカウンターに箱を置き、上蓋を開けると、傷一つない腕時計が静かに止まったままでいる。
暖色の電灯にその銀色がぎらぎらときらめいた。

「使うときはここのねじを右に巻いてください。いっぱいに巻けば、丸一日は動きます」

 彼のいかにも器用そうな手指が時計を真四角の寝台から取り出して、きりきりと小さなねじを巻いた。
処女的な潔癖さを漂わすその時計が、息を吹き返したように秒針を動かし始める。

「時刻を合わせるときはつまみを引っ張って……普通の時計と同じように」


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