過去ログ - 王様「魔王を打ち倒すべき勇者が倒れたか……」
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[saga]
2014/07/06(日) 15:00:33.96 ID:Mz7Im/BcO
……冷ややかな水晶の感触。
肌に触れるのは全てが無機質な水晶、見えるのは自らの守護する東の王国の全景。
その身を水晶で包むことで魔力の感知度を極限まで上昇させ、半径数百qの王国全域を見ているのだ。
かつては『魔導王国』と呼ばれた、東の王国が誇る勇者は一人薄暗い中で微笑んでいた。
東勇者「……」
東勇者(対空魔法を三門発動)
東勇者(属性付与…『絶対零度砲』)キィィン
静かな水晶の中で、少女は微笑んでいた。
しかしそこに生気は無く、明確な意識は無い。
彼女は『敵』を討つ悦びに浸っていたのだ、大空を旋回していた鉄の塊を見事氷漬けにして撃墜した事に愉悦を感じていたのだ。
例えその結果、巨大な鉄塊が城下町へ高度三千mから落下してどれだけの被害が出ようとも。
彼女は、少女は微笑み続け、そして王国の周辺に来る『敵』を駆逐し続ける。
……筈だった。
東勇者「……」
東勇者「内部から多量の生命力を感知……正確な数が……」
東勇者「…………数え切れない……」ゾクッ
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