過去ログ - 菫「見つけた。貴方が私の王だ」咲「えっ」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/27(金) 23:27:14.47 ID:cMGVLU1+0
どうやら、本当に迷い込んでしまったのかもしれない。

無愛想だが、世の中、色んな人がいる。

こんな気難しそうな商人がいても可笑しくはないのだ。

だが、咲が感じた安堵はすぐに消える。

自分が指し示した道筋を辿る事無く、真っ直ぐ向ってきたのは…咲の眼前だ。

咲と、たった一歩程の距離で立ち止まった少女に「あの、」と焦り気味に咲は声を掛ける。

だけど、その問いかけに答える事無く、代わるよう伸びてきたのは腕だ。

驚き、咲の体がビクリと震える。

それでも逃げに入らなかったのは、無愛想な少女だが咲を見下ろすその瞳には

咲の主人のような蔑みの色が見えなかったからだ。

伸びてくる腕の先、その指先が咲の目尻に触れる。

ヒヤリとした指先の冷たさと共に、痛覚へと響いた痛みに咲は顔を顰めた。

昨日廊下の掃除をしていたら主人がやってきて、有無も言わさず殴られたのだ。

後から、咲と同じような下働きから聞いたが旅商人との交渉が思っていた程上手くいかず、

手当たり次第、見かけた者に当り散らしていたのだそうだ。

まさしく、そんなとばっちりを受けた咲の目尻 は理不尽に受けた暴力から腫れて赤くなっていた。

今日は寒かったから痛さは引いていたが、触れられた事で痛みを思い出してしまった。


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