1: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/07/07(月) 00:01:08.15 ID:Vu3r4uuY0
1日仕事をして、疲れた夜の帰り道。
ふと空を見上げると曇り空。
今日は7月7日七夕。
織姫と彦星が、一年でたった一度だけ逢う事を許された日。
晴れていれば綺麗な星空が見えたのかもしれない。
しかし、そんな二人の恋路を邪魔するかのような、厚い雲が空を覆っている。
無論、そんな雲の遥か彼方に星々はあるのだから、雲がかかっていようと織姫にも彦星にも関係ない。
そもそも、いい歳して織姫と彦星の物語を信じている事自体がナンセンスなのかもしれない。
けれど、そういう物に憧れているのも事実。
いくら歳を重ねても、根っこの部分では私はまだまだ子供なのだろうか。
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2: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/07/07(月) 00:01:38.20 ID:Vu3r4uuY0
暗い夜道を歩いていると温い風がまとわりついてくる。
その風に吹かれて、かさかさと葉擦れの音が聞こえてきた。
どうやら通りがかったスーパーで笹を掲示しているようだ。
色とりどりの短冊が、沢山吊られているのが分かる。
3: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/07/07(月) 00:02:29.40 ID:Vu3r4uuY0
いつからだろう。
あの人に逢えなくなったのは。
4: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/07/07(月) 00:03:06.17 ID:Vu3r4uuY0
私が竜宮小町に選ばれて、それから忙しくなって。
5: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/07/07(月) 00:03:36.39 ID:Vu3r4uuY0
「寂しい……」
ため息とともに、そんな言葉が口をついて出た。
思わず顔をしかめる。
6: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/07/07(月) 00:04:08.93 ID:Vu3r4uuY0
詮のない事に思いを巡らせていた時だった。
鞄の中で、携帯電話が音を立てて着信を知らせている事に気づく。
取り出して画面を見るとあの人の名前が表示されていた。
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