12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:13:20.72 ID:Fl7+HnOB0
「いえ、わたくしは…」
たじろぐ貴音に俺はふと思いついて聞いてみる。
「そういえば貴音はどんな本を読むんだ?」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:14:12.15 ID:Fl7+HnOB0
「亜美も気になるなー、漫画? は読まなさそうだし…」
「走れめろす…羅生門といったあたりでしょうか」
確かにイメージどおりだ。日本の古典文学?そういったあたりを好む感じがする。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:15:19.23 ID:Fl7+HnOB0
「中二? ゼッタイ?必ず?」
「はい。絶対わかります。何がどうなろうと」
「どうしてどうして?気になるなー」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:16:06.54 ID:Fl7+HnOB0
「お姫ちん、本以外なら何してるの?」
「えぇ? そうですねぇ…」
言い淀む貴音。俺もキーボードを叩く手を止め答えを待つ。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:17:01.87 ID:Fl7+HnOB0
どこか様子がおかしい。本屋でのこと、事務所でのこと、
それらがあったせいか俺は気が付くと貴音を目で追っていた。
その中で気づいたことがある。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:17:35.92 ID:Fl7+HnOB0
極力雑談には加わらないようにしている、ように見える。
事務所で貴音の声を聞くことは少なくなった。
それ以外の場合は必ずと言っていいほど、ライブの資料とにらみ合っていた。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:18:19.73 ID:Fl7+HnOB0
765プロとしての活動から一人一人が一本立ちするための一歩なのだ。
企画段階で、俺、律子、社長で誰を出すか話し合った結果
性格的にいきなりソロを任されても苦にしないであろう、貴音が選ばれたのだ。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:19:37.74 ID:Fl7+HnOB0
竜宮小町ができて律子に先を越されたことに焦り、アイドルを振り回していたあの時と状況が重なる。
まるで反省できていないな。今日、夕食にでも誘ってみるか。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:20:10.18 ID:Fl7+HnOB0
ライブの資料を読んでいるので話しかけるに話しかけられないのだ。
落ち着かない時間を数分過ごし、二人のラーメンが運ばれてきて食べ始めたとき、話を切り出した。
「どうだ、いけそうかライブ」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:20:50.28 ID:Fl7+HnOB0
くそ、何度もシュミレーションしたはずなのに、それとなくうまい言葉がかけられない。
がんばれよ、というのは時として無責任な言葉になりうる。
おまえならできる、も根拠のない励ましだと取られかねない。
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:21:22.03 ID:Fl7+HnOB0
「ありがとうございます」
ラーメンから立ち上る湯気で貴音の表情はよく見えなかった。
貴音は一足早く帰宅し、俺は店内のテレビをぼんやりと見ていた。
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