45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:39:16.83 ID:Fl7+HnOB0
「僕より黒男のほうが有意義なアドバイスができるんじゃないかい」
俺が黙っていると手塚は否定と受け取ったらしい。
「そうだ。知り合いにいい精神科医がいる。変わった奴だが腕は保証する。伊良部っていうんだが」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:40:16.00 ID:Fl7+HnOB0
俺と本屋で会った時の貴音。響から聞いた最近の貴音。
男のセリフとは関連がないと言うが本当か。否。
思い出してみれば見舞いに行くと電話を入れたときもおかしかった。
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:41:13.74 ID:Fl7+HnOB0
問題は俺の考えをどう伝えるか。それをいつやるかだ。
いつやるか、の点では数日たってからでいいだろう。貴音だって落ち着きたいだろうし。
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:41:51.78 ID:Fl7+HnOB0
俺がする話は、精神状態が乱れていてはまともに聞けないだろう。
本心を言い当てられるのは気分の良いものではないからだ。
事務所で貴音が一人になるところを見計らい、数日後に話があると伝えた。
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:42:21.65 ID:Fl7+HnOB0
おまたせしました」
夜、仕事を終えた貴音が二十郎にやってきた。
注文をし、貴音の料理が運ばれてくると俺は話を切り出す。
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:43:01.48 ID:Fl7+HnOB0
「あなた様?」
貴音の呼びかけに視線を前へ戻す。
「貴音」
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:43:31.18 ID:Fl7+HnOB0
「どうして自分を隠そうとするんだ?」
「…あなた様、一体どういう…」
「不安…なんだろ…ほんとの自分を知られたらみんなが離れていくんじゃないかって」
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:44:02.15 ID:Fl7+HnOB0
「友人をなくすんじゃないかって…」
貴音は何かを考えこんでいる。俺は言葉を待つ。
数十秒くらい間があった。
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:44:36.93 ID:Fl7+HnOB0
「ああ、そうだな」
なんのことはない。ある仮説に基づけば出来事にも説明がつくのだ。
仮説、それは貴音の葛藤だ。こいつのキャラ路線は特殊だ。
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/09(水) 11:45:38.63 ID:Fl7+HnOB0
メディアの言うとおりに振舞おうと意識すればするほどキャラの迷宮に迷いこむパラドックス。
仲間内でも本当の自分を出せば自信の持つ神秘性が失われてしまうのではないか。
そんな恐れがあった。
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