過去ログ - 阿良々木暦「かなこエレファント」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/09(水) 18:51:04.97 ID:HorbTFBDO

「三村、十時、彼女が戦場ヶ原ひたぎ。僕の恋人だ」

「よろしくお願いします」

「十時愛梨です!」

「三村かな子です」

握手を交わすひたぎと二人。

「確かにこれだけ美人な彼女さんがいたら、プロデューサーさんもアイドルたちに手を出しませんよね」

「あら嬉しい。光栄だわ」

完璧にひたぎさんはよそ行きスタイルだ。

出来ることならひたぎの存在は永遠にひた隠しにしておきたかったのだが……。
いや、恥ずかしいじゃない。
でも少しでも安心してもらうために彼女いるとは公言していたから、時間の問題だったのだろうけれども。
プロデューサーはプロデューサーで大変なのだ。

「じゃあ私たちこっちに移動しますね、お話しましょう!」

「ええ、是非」

「ちょっと待っててくださいね」

席移動のために元いた席へと戻る二人。

女三人寄れば何とやら。
ある意味日常茶飯事ではあるので慣れてはいるが、ひたぎを含めた女子トークに巻き込まれるのかと思うと少々気が重かった。
あの空間に入るのにはかなり自分を捨てる必要があるのだ。
今更だとも感じるが。

ふと見ると、ひたぎが自分の右手をまじまじと凝視していた。
陽光に透かしたり、裏表を繰り返し見たり。

「…………」

「どうした、ひたぎ?」

「いえ……気のせいよね。そんな筈ないわ」

「……?」

「何でもないのよ。さあ、折角の食べ放題なのだから血液が砂糖になる程食べ尽くしましょう」

比喩なのだろうが、ひたぎが言うと割と冗談に聞こえない辺りが怖い。

後日、忍に血が甘いと言われない程度にしよう、と心の隅に留め起きながら、その日は僕の悪口で盛り上がる三人と共に久々の甘味を貪るのであった。



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