過去ログ - 阿良々木暦「かなこエレファント」
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19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/09(水) 18:57:58.46 ID:HorbTFBDO
「どう思う、この状況」
「知らんわ。犬にでも食わせておけ」
「そんな冷たいこと言わないでよのぶえもん!」
「その呼び方はやめい!」
「暦、上がったわよ」
風呂場からひたぎの声が届く。
「と、とりあえず、この本を影に隠しておいてくれないか」
「…………」
溜息と共に僕の手から数冊のエロ本を受け取り影に消える忍。
ああ、僕も男だ。
覚悟を決めようじゃないか。
「お先、戴いたわ」
「あ、あぁ」
濡れた髪にタオルを巻きながら現れる風呂上がりのひたぎさん。
相変わらずアイドルたちにも負けずとも劣らぬプロポーションだ。
「ドライヤーはないの?」
「あるよ、洗面所の横の棚だ。だがアイロンはないからな」
「そう。借りるわね……暦も入ってきたらどう?」
「あ、ああ……そうするよ」
すれ違った時に鼻腔をくすぐるひたぎの香りに思わずくらりと来る。
なんで女の子って風呂上がりとか関係なしにいい匂いがするんだろう。
永遠の謎だ。
ともかく頭を冷やすためにも速攻で風呂に入り、頭から冷水シャワーに打たれる。
気分は修行僧だ。
現在の状況を考えたらあながち間違ってはいないだろう。
「そんなことをしておっても悟りなんぞ開けんぞ」
「忍……」
冷水が体温を下げると共に思考を幾らか平常時に戻してくれた。
「お前と初めて会った時のことを思い出したよ」
「初めて……? 電灯の下で儂が倒れておった時のことか?」
「ああ、あの時と同じくらい、どうするべきなのか葛藤している」
「……お前様のそのくだらん葛藤と天秤に掛けられる儂の身にもなってみろ。まったく、そんなもの考えるまでもないじゃろうが」
「え?」
「やっちゃえば良かろう」
「いや……お前はそう簡単に言うけれどさ、やっぱり心の準備とか、色々あるだろう?」
「どれだけチキンなのじゃ……別に他に操を立てておる女がおる訳でもない、ましてや相手は正真正銘の恋人ではないか。お前様が女であればまだしも、男じゃろうに」
怪異である儂に相談しておる時点でおかしいじゃろ、と忍。
言われてみれば確かにそうだった。
そもそも、泊まると言い出したのはひたぎの方だ。
独り暮らしの恋人の家に泊まるという行為がどんな結果を誘発するのか、わからないひたぎではあるまい。
遂に僕に春が来たのか?
そう考えていいのか!?
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