過去ログ - 琴石なる17歳「先生が島に帰って来ました」【ばらかもん】
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4: ◆Sw0r5AFPRM[saga]
2014/07/10(木) 18:53:24.73 ID:jHnrlzaQ0

 素直に謝った時、先生はすぐに許してくれて、ああ謝ってよかったなあと心の底から思った。その後、何故先生がわたしにも謝って来たのかは、その時は全然分からなかったけど。先生の言葉の意味が、本当の意味で分かって来たのは、それからずっとずっと後のこと。
 
 思えば、先生はいつもわたしたちと同じ目線で話してくれていた。

 ……まあ、悪く言えば、子供だったんだな、先生も(今も時々そうだけど)。けど、そんな中でも時折見せる『大人』の部分に、わたしは憧れていたのかもしれない。先生は、どんなに年が離れていても、島で暮らすわたしたちを、変わらず一人の友人として接してくれていたから。そんな先生には、いつも輪が出来ていた。気付けば、何かの物事の中心には、先生が居るようになっていた。
 先生は一人が好きだと言ってたけど、わたしが知る限りでは先生の傍にはいつも誰かいた。勿論一番多く隣に居たのはわたしだと思うけど。
 そんな大好きな先生だったからこそ、本当に東京に帰ると聞いた時には、一晩中泣き明かした。子供だったから、繕う気持ちなんて一切無くて。親友のひなや、悪友のケン太たちと一緒に、わんわん泣いて先生の袖を引っ張っていた。あの時の、手に残る服の感覚は忘れられない。
 最終的には、郷長や教頭、美和ネェやタマに言い聞かされて、唇を噛みながら先生を見送ることになっちゃったけど。
 



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