過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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251:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/03(日) 23:01:55.63 ID:cwKbWwke0
「大丈夫です。悩みは晴れました。ありがとうナツメさん」

「え!? あ、そっそう……。でもよかったわ。これからジムに挑むんでしょ? 私も同行してもいいかしら?」

「ええ。もちろんです」

 セキチクジムはにすぐに到着した。中に入ると、キョウがジム中央のバトルスペースで目をつむり正座している。その後ろにはキョウの娘のアンズが控えていた。

「来たか……む、ナツメ殿も」

「えっと、ジムのギミックの監修に来たんだけど……。先にやった方がいいかしら? ごめんね。すぐに終わるから」

 しかしキョウがレッドとナツメに手をかざす。
  
「否、その小童に小細工は不要。ナツメ殿、この戦いが終わるまで待っていただきたいが宜しいか」

「いいわ。頑張ってねレッド」

「はい」

 ナツメが観客席に移動する。レッドの顔は、覚悟を決めた戦士の顔。

(ほう……)

 キョウがその顔を見て、笑った。

「下がれ、アンズ」

「うん」

 キョウがバトルスペースに立つ。目を閉じて軽く顎を引き、直立するその姿はまさに時を待つ忍びそのもの。

 レッドもまた、モンスターボールをその手にしながら目を閉じた。

 嵐の前の静寂。突如訪れた張り詰めた空気に、ナツメとアンズも息を呑む。

「答えは変わらぬか、小童」

「一度ポケモンの手を取り、心を通わせたならば、確かな光が心に宿る。俺はそう学びました。ポケモントレーナーならば、ポケモントレーナーとしてぶつからないと分からない事がある。伝えられない事がある」

 レッドは目を開き、モンスターボールをキョウにかざす。

「俺がポケモントレーナーの道を進み続けるのは、バトルを通して得られる確かな絆があるからだ。共に戦う仲間だけじゃない。戦ってきたライバル達にも、俺は心のつながりを感じている」

 その言葉に、ナツメは驚く。

(レッド……!? まさか、あなた、サカキにも……)

「ファファファファ! まさかロケット団と戦いあんな目にあっておきながら、その道を進み続ける意味を確信したというのか!」

「ええ。キョウさん。あなたがサイクリングロードでやっていたことは、被害を迅速に食い止めるためには最善の手段でしょう。だけどやはり俺は、一人ひとりとポケモンバトルを通して、光ある道に気づく手助けがしたい」

 レッドは微笑んだ。自分が進む道が今、また一つ扉を開けた。

「俺達は、ポケモントレーナーなのですから」


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