過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/09(土) 23:21:30.61 ID:ixXhzS2V0
 クチバシティのマチス。クチバシティジムリーダーにして、ポケモンだいすきクラブ会員。そして、定期的に行われる『ポケモンとの暮らし』無料セミナーのメイン講師。

「マチスおじさん! ピカチュウってどんな遊びをしてあげればいいのかな?」

 ジムで行われるセミナーには老若男女問わない多くの人たちが、パートナーのポケモン達を出して情報交換をしている。

 そんな中でピカチュウを従えた男の子が、ライチュウを従えたマチスに質問した。

「ピカチュウは電気を使った遊びがダーイ好きネ! 電気タイプのポケモン用の遊び道具があるから、ピカチュウが気に入るのを選んであげるネ!」

「わーありがとー!」

 マチスがポーチから様々なグッズを取り出して、男の子に使い方を伝授していく。ピカチュウが気にいるものが見つかったのか、男の子はマチスに礼を言ってピカチュウと駆けていった。

 すると入れ替わりで、今度はサンドを連れた老女がマチスに話しかけてきた。

「マチスさん、実は私の家に先日強盗が入ってね……」

「オーノー!? そんな!? ミー知らなかったね! 怪我はなかったノ!?」

「ええ、私が襲われそうになったところを、うちのサンドが飛び出して見事強盗を撃退してくれてね。マチスさんがセミナーでサンドを鍛えてくれたおかげだよ。本当にありがとう……!」

 老女がマチスに深々と頭を下げる。

「オー!! 頭を上げて! ミーが少しでも役に立てたのなら、とってもハッピーネ! サンドとお婆さんの間に強い絆があったからこそネ!」

 マチスがその外見に似合わず、やんややんやと笑顔でサンドを称える。

 そんなマチスにまた、ポケモンだいすきクラブの会長が声をかけた。

「マチスさん……。いつもありがとう。皆大切なパートナーを守るだけでなく、さらに強い絆を繋ぐことができた。あなたの協力のおかげじゃ」

「オー! ミーもポケモンだいすきクラブに入れてもらって嬉しかったネ! ポケモンの事いっぱい話せる仲間ができてハッピーネ! でもそれは……」

 マチスが、窓に切り取られた海の景色を見る。

「ミーと会長サン達を繋げてくれた、ボーイの事も忘れちゃいけないヨ」

「……ああ。もちろんじゃ」

 マチスの脳裏に浮かぶ、マチスとレッドの戦い。大歓声の中、フシギソウの勝利とともに両の拳を天に突き上げたレッドの姿。

「ユーならきっと、ベストポケモントレーナーになれるね……」

 マチスの呟きの相手が誰に向けられたものなのか、会長にもすぐわかった。

(レッド君、君がポケモントレーナーとして、海の向こうまで聞こえるような活躍ができるよう、わしも応援しているぞ)

 会長の想い。マチスの期待。レッドの背を押す目に見えない力が届くのは、もうすぐだった。


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