過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/09(土) 23:18:35.70 ID:ixXhzS2V0

 ハナダジム。ポケモン達が自在に泳げるバトルフィールドのプールに、カスミの怒号が飛ぶ。

「サクラ姉ぇ!! 腰が引けてる! お姉ちゃんのヒトデマンは臆病なんだから、お姉ちゃんの腰が引けてたら余計に逃げまわっちゃうでしょ!」

「そ、そう言われてもお……」

 カスミのタッツーが水鉄砲で猛攻をしかけ、カスミの姉のサクラが繰り出したヒトデマンがフィールドを逃げまわっている。

「私が帰ってきたからサボれるなんて思ったら大間違いよ! 私が家を飛び出す前はあんなにまじめだったくせに……!」

「だ、だって……」

 ジムリーダー姉妹の次女アヤメと三女ボタンも戦々恐々で見守っている。

「だってもなにもない! サクラ姉が終わったらアヤメ姉とボタン姉だがんね! ほらサクラ姉、ヒトデマンをよく見て!」

「よ、よく見てって……もう私のヒトデマンに戦う意志は……」

「ち・が・う! ヒトデマンは臆病だけど戦う意志を失ってなんかないわ! 直接的な接触を避ける分、普通のヒトデマンよりも素早い動きができる。お姉ちゃんがそれを活かしてあげるの!」

「……あ! なるほどね……今よヒトデマン! スピードスター!」

 ヒトデマンがその速力を生かし、避けながらスピードスターを放出しタッツーの猛攻を止める。

「やった……!」

「ふふ、やればできるじゃない! ほら、ジムリーダーは私達四姉妹なんだから!」

 カスミの顔が笑顔に変わる。カスミが飛び出す時にトレーナーとしての道を説き、レッドとの戦いも見守った三女のボタンがカスミを見て誇らしげに言う。

「ふふ、カスミもジムリーダーとしての貫禄がでてきたわね」

「ボタン、昨日カスミに6タテされてたわよね」

「い、言わないでよ……アヤメ姉も一緒じゃない……」

「……うん。でもせめて、カスミの姉って胸張って言えるぐらいの実力は身につけたいわね」

「……ええ!」

 ハナダの4姉妹、それぞれの実力は違えど、4人の揺らいでいた目標が重なってきている。

(レッド、あなたはきっと凄いトレーナーになる。でも私だって、すぐにあんたに見劣りしないトレーナーになってみせるから!)

「ひるまないでタッツー! あなたのいじっぱりな所、見せてあげなさい!」

「タッツゥ!」

 カスミの笑顔の激励にタッツーが応える。

 ハナダジムの末妹が、女の子の魅力とトレーナーとしての素晴らしさを兼ね備えた少女として有名になるのは、そう時間がかからないだろう。



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