過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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390:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 20:50:33.62 ID:iy+ifKHv0
 決着とともに、ワタルはレッドの元へ歩いてくる。その顔は晴れやかだった。

「おめでとうレッド君。君は四天王を寄せ付けない程の力を持ったトレーナーだ。こんなトレーナーが、短期間で二人も現れるとは思いもしなかったよ」

「こちらこそ、対戦ありがとうございました。……二人、ですね」

 レッドの呟きに、ワタルも頷く。

「四天王を突破した先が、最後の決勝戦だ。ポケモンリーグディフェンディングチャンピオンとの戦い。私が退場したら程なく始まるだろう。今のうちにポケモンを回復しておくといい」

「……はい」

(ディフェンディングチャンピオン)

 レッドの人生、走り続けてきたその道筋、いつも一歩先を行く人物がいる。

(やっと追いついたな)

 こうなることは、あるいはあの日ポケモンを受け取った時に決まっていたのかもしれない。

(いや、違うな。決まっていたんじゃない。ジムトレーナーやポケモン、エリカさんとの出会い、フシギダネとの出会い、そして、泣き虫だった俺自身。そのいずれかが欠けていても、この舞台に俺は辿りつけなかった)

 ワタルが退場しスタジアムの全ての照明が落ちる。歓声が一際沸きチャンピオンを出迎える。

 演出は一切ない。ただ入場口から歩き、散歩しているところに知り合いにあったような軽快さで、グリーンは笑顔で片腕を上げた。

「ようレッド! お前も来たのかよ! ははっ、やっぱりお前が来ないと、張り合いがねえよな!」



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