過去ログ - 八幡「なあ雪ノ下。俺と」雪乃「ごめんなさいそれは無理。だけど――」
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37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/16(水) 20:00:20.64 ID:kjt7MoXK0

「なにやってんだろ」


自分の部屋、ベッドの上にて。
誰もいない部屋で、そう呟く。
一人言はボッチの癖であり、習慣である。
――よく、1人は耐えられても独りは耐えられないという話を聞く。ネットで。
俺はいつでも1人だし、独りだ。
ボッチの真髄を究めた者からしてみれば、独りの孤独など孤独のうちに入らない。
むしろ独りにしてほしいまである。


「……俺はそういう人間だったはずだ」


そう、そういう人間「だった」
夕刻、奉仕部部室。
由比ヶ浜がいつもの奇妙なあいさつとともに入ってくると、雪ノ下はすぐに部活終了の合図を出して部室を出て行った。
疲れたから帰ると言った彼女の表情は見えなかった。見れなかった。
俺は、視線を机の上の雫から少しも動かすことができずにいたのだ。
由比ヶ浜が何かを言っていた気もするが、何も頭に入っては来なかった。
涙。雪ノ下が初めて見せた弱さ。
その意味を考えることに意識が集中していた。
あれは、誰を想っての涙だったのだろうか。結局は、何も分からずじまいだが。


「俺は、表面だけの、上っ面だけの慣れ合いが大嫌いだったはずだ」


気がつくと由比ヶ浜も部室から消えていた。
外を見れば、太陽がもうほとんど沈んでいた。一体どれだけの時間をこうして過ごしていたのか。
時刻は大体午後7時。
机の上には鍵が残されていた。それを拾い上げる。
この部室の鍵。
いつもは雪ノ下が管理をしていたため、今までそうして手に取ることはなかった。
あいつはもう先に帰ってしまったため、ここにはいない。人気が少ない部室棟とはいえ、流石に施錠をしないわけにもいかないだろう。
仕方がないので返しに行くことにした。




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