23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 11:33:40.83 ID:TmyX6+Eao
さて厄介なことになった。
ヘレナがそう思ったのはもちろんミナが出て行ったすぐ後――ではなかった。
夕方になり窓の外がかなり暗くなってもミナが戻っていないのを確かめて、それからようやく事態の重さを認識したのだ。
つまりミナのモニャラなんとかいう罵声から九時間近くが経っていることになる。
(どうしたもんかねえ)
どこに行ったのかはなんとなく把握できた。
なぜならばヘレナはミナと違って魔女だからだ。
ただ、見当がついたところで連れ戻せるとは限らない。
あの様子を見るに結構な機嫌の損ね具合だったように思える。
孫娘は不出来でかつああいうことに関しては見かけによらず頑固な子だ。
今更お前は魔女になれるなどと嘘をついても機嫌を直すとは考えられない。
仮になだめることができたとしても後々までしこりを残すだろう。
(それでも行かんわけにはいかんだろうね)
一応は祖母と孫なのだから。
逆を言えば血縁関係がなければ探しに行く義理はない。
闇に怯えていようが関係ない。
蚊に食われていようが関係ない。
転んで怪我をしていようが蛇に噛まれていようが獣に襲われていようが……
「……」
どんどん嫌な方向に加速していく思考に急き立てられるようにしてヘレナは邸宅のドアを開けた。
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