24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 11:34:36.20 ID:TmyX6+Eao
外は月の光が明るく、ランタンを持たなくても十分視界が確保できた。
それを確かめてヘレナは邸宅の東へ歩き出した。
背の低い草が生える原っぱの向こうに黒々とうずくまるものが見える。
風が吹くとざわざわと音を立ててまるでヘレナの接近にどよめいているかのようだ。
それは魔女でもあまり立ち入ることのない領域だった。
太古の地上の状態にもっとも近く、魔法のもっとも好んでとどまる場所。
森。
かつて旅をしていた頃はその奥深くに立ち入ることもあった。
若く力に満ち溢れていた頃もあったのだ。
膝や腰が痛むこともなく魔法を完全に掌握した一流の魔女だった頃もあったのだ。
今は違うかといえば変わらず一流の魔女だと答えられるが森に入ることはなくなった……
(いかんね)
感傷を振り払い意識を現在の自分に戻す。
今はミナを探さなければならない。
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