42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:27:07.12 ID:TmyX6+Eao
風車屋敷が建って数年後。
娘がいきなり訪ねてきた。
自分にとっては孫にあたる女の子を一人預かってほしいという。
娘は言った。
あんたのことは大嫌い。だけどあんたの話するとこの子がすごく興味を持つのよね。
そして苦笑しながら続けるのだ。
魔女になりたいんだって。ああ見えて頑固だから一度言ったら聞かないのよ。
同居を始めて一、いや二週間。
孫娘が不思議そうに言った。
お婆ちゃん、なんで指輪してないの? 結婚したらするんでしょ。お母さんもしてたよ。
指輪はなくしたのだと言った。
嘘ではない。引き出しの奥にしまってもう取り出すことがないのならなくしたのとおんなじだ。
ふーん。孫娘は不思議そうな顔をして、それから笑った。
お婆ちゃん、だーいすき。
いきなりなんだと面食らうと彼女は言った。
なんだかさびしそうな顔してたから。あたしがかなしい気持ちのときはお母さんこういうんだ。
ミナちゃんだーいすき、って。
ね。お婆ちゃんだーいすき。
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