過去ログ - 続・スーパーカンタイロンパ2 -さよなら絶望鎮守府-
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930: ◆jPpg5.obl6[saga]
2014/11/11(火) 23:31:30.49 ID:2hY+STyV0
ミラーを見ると背後から数十体のモノクマが追いかけてくる。

そしてシンクロしたように爪を振り上げる。

次の瞬間、バイクが1人の少女とすれ違う。日向だ。

日向「天龍、受け取れ」

そう言って自分の刀をすれ違いざまに天龍に渡した。

天龍「おい、いいのか---」

そう言い切る前にバイクは進んで行く。

しばらくすると殺気と共にバイクのエンジン音をしのぐ衝撃音が響き渡った。

後ろを振り返ると、地面に着地した日向と数十メートル吹き飛ばされるモノクマの群れの姿だった。

日向「・・・今のは「超艦隊級のハッカー」とは言えない戦い方だな・・・」

天龍(素手でも最強とかねーぜ・・・)

日向からにじみ出る威圧感が廊下全体に溢れ、肌からは薄い陽炎を立ち上がらせた。

天龍が「兵器」なら彼女は「武」だろう。

日向が100体のモノクマの前に立ちふさがる。その熱を感じながら天龍がバイクが進む先に見たものは---

ホテルへ続くエリアの戸の陰からちらちらと様子を窺うイムヤや龍驤、足を踏み入れる最上や大和の姿だった。

霧島はそれらをすり抜け、強引にターンしながら急停車する。

周囲には警戒心の籠った目で見つめる艦娘達の姿があった。

だが、そこに違う目線を送るものが居た。1人は青葉。もう一人は---吹雪だ。

天龍「ふ・・・ぶき・・・?」

バイクの後部シートに乗ったまま、唇を震わせる。

そんな彼女に吹雪は全身に迸る苦痛を乗り越えて微笑みかける。

吹雪「良かった・・・無事なんですね・・・天龍サン・・・」

この時点で、妹の願いを叶えることは出来なくなったが---代わりに他の者達に希望の芽を息吹かせることには成功したのだ。


さて、天龍が玄関前で戦っている間、吹雪に何が起こり何をしたか説明せねばなるまい。

意識を取り戻した吹雪がしたことは、単純明快なことをした。---皆との思い出を語る。それでけだ。

龍驤のPCに録音させた告白を聞いても多くの者は信じようとはしなかった。

最初は吹雪も疑っていたが---日向がある質問をしたことにより、疑いの空間を切り裂いた。

日向「ふむ・・・ならば、この鎮守府の外は、完全に終わっていると言うことなのか・・・。無事な者はいないのだな・・・?」

神妙な顔で問う日向に吹雪はゆっくりと身を起こしながら言った。

吹雪「大丈夫です・・・。「伊勢さん」は・・・きっと無事なはずです・・・。だってあなたが認めたライバルなんでしょう・・・?」

日向はハッと息をのんだ。伊勢は日向と共に切磋琢磨し有った仲であり、ライバルと認めた艦娘である。

日向「何故・・・その名を・・・そのことを知っているのだ・・・?」

吹雪「日向サンが・・・話してくれたんです・・・いや・・・」

そう言いかけるとゆっくりと口を閉じ、訂正した。

吹雪「皆さんに・・・話してくれたんです・・・」

日向「・・・」

その言葉を聞き、日向はしばらく沈黙した後---


<今回はここまで>


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