過去ログ - 続・スーパーカンタイロンパ2 -さよなら絶望鎮守府-
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941: ◆jPpg5.obl6[saga]
2014/11/16(日) 23:56:44.81 ID:cuqSkiBG0
残り1秒。


「それ」---天龍は己の膝を日本刀の柄頭に叩き込み、起爆装置とメインシステムを粉々に砕いた。


残り0秒。


爆炎に包まれた廊下の中。モノクマに抱き合うように、天龍の手には---脱出スイッチが握られていた。

つまり、彼女と希望ヶ峰鎮守府の艦娘達は試験に合格したのだ。

以上が---龍田が味わった、この3秒間に起きた、ささやかな絶望の結末である。


天龍「龍田・・・」

自爆も出来ずに動かなくなったモノクマから声が聞こえる。どうやら、通信機能だけは生きていたらしい。

モノクマ「うぷぷ・・・まさかあんな方法を使うだなんて・・・思わなかったよ。だって君は誰かの手を借りるだなんて・・・おっと、小隊のメンバーは元気かい?」

天龍「だといいな」


天龍が言った言葉は---「俺が合図したら、思い切り前に飛ばせ。それと、北上、日向がやったら、同時に魚雷あてて加速させろ。いいな?」

それが日向と北上に言った言葉だった(北上には残念ながら伝わっていなかったようだ)。


「超艦隊級の航戦」日向の脚力をカタパルトとし、己を砲弾にしたのだ。

天龍は信じていた。龍田はこの投げられた刃を受け止めると。

今度は正しく---「彼女を理解」することが出来た。

そんな天龍にモノクマが向けたのはあざ笑いだった。

モノクマ「人に背中と運命を預けて勝負にでるなんて超高校級のギャンブラーでもしないよ。どこまでぬるいんだか・・・」

モノクマ「中途半端ですげー残念・・・。今回は、その残念さを予想できなかった自分に負けたってことにしておくよ」

天龍「それは・・・違うんじゃないか?」

モノクマ「ほえ?」

天龍「勝ってたか負けてたかって言うとな・・・俺らは最初から負けてたと思うぜ・・・」

天龍「どんなに世界を絶望しても・・・今のままじゃ皆が殺し合いしないから記憶を消したんだろ?・・・そう信じてたんじゃねーのか?」

モノクマ「何言ってんの?」

天龍「だからよぉー・・・そのな、龍田・・・いつか皆はちゃんと記憶を取り戻して絆とか幸せとか見せて・・・絶望させてやんよ」

それを受けたモノクマは数秒の沈黙を経て、言葉にした。

モノクマ「一回だけ出し抜いたのにそんな寒いことしか言えんのか・・・マジで残念だね!ただひたすら残念だよッ!」

モノクマ「けどいずれまたここに戻ってくるよ?」

天龍「・・・」

モノクマ「その時は素敵な場所に招待してあげる。なんせ「超高校級の絶望」が見つけた島だからね。きっと面白いことがまっているぜ〜?うぷぷぷぷぷぷぷ・・・」

しばらくして、モノクマは動きを止める。しばらくは反応はないだろう。龍田は、もう次の「絶望」への準備をしているから。

結局なところ、黒幕は顔を出さなかった。天龍は見たかったが、背後から叫ぶ艦隊の仲間の声がその絶望を抑え込んだ。

いつか、龍田に最高の絶望を与えることが出来た時---こみ上げた絶望を全て解き放って共に落ちていくために。


妹を、1人にしない。


それが、一緒に居る時から抱き続ける、最初の絶望なのだから。


<今回はここまで>


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