過去ログ - 先輩「そこから見えるのは、どんな景色ですか?」
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441:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 00:15:36.27 ID:0hdGdTKHo



 ある日の放課後、千歳は部室に、ひとりきりでいた。
 
 俺は軽く声をかけてから、また自分の定位置に座る。
 そのうち、他の奴も来るだろう。

「……なんか」

 と、どこか不満気に、千歳は口を開いた。

「また、手持ち無沙汰ですね」

「そうだな」

「……繰り返してるなあ」

「気分の問題かもしれない」

「……え?」

「一本書き上げたら、また次のを書けばいいんだよ」

「……」

「部誌なんか作らなくても書けるし、作りたくなったらまた作りたいって言えばいいんだ。
 次は何をどんなふうに書いてやろうって、次こそあっと言わせてやるって、そんなふうに思えばいい」

「せんぱい、大人みたいなこと言ってる」

「……そうか?」

 本気の疑問だったのに、千歳はなんだか納得いかないふうな顔をして、しばらく机に顔をつけてうなっていた。
 なんとなく、ひなた先輩のことを思い出して、それから、今自分がいる場所のことを考えた。

 彼女が俺にしてくれたようなことを、俺も、彼女にできるだろうか。
 そんなことを、ものすごく真剣に、俺は考えていた。




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