過去ログ - 上条「ようこそ、クソッタレな日常へ」
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◆i7biGkIsHE
[saga]
2014/07/16(水) 21:51:19.82 ID:GVn09BIx0
そう言って少女は頭を地面につけるが、男の意思が変わることはなかった。
土下座したまま懇願し続ける少女の肩に他の二人はそっと手を置く。
「このままお姉様一人を残していくことなど、わたくしにできる筈がありませんの。 何があろうと黒子は最後までお姉様の傍にいますわ」
「そうですよ! 御坂さんも白井さんも私の大切な友達なんですから。 それに諦めなければ、いつか事態が好転することだって」
「それはどうかな?」
水を差すように割り込んだ男を二人の少女はキッと睨みつける。
今にも忠告を無視して襲い掛かってきそうな勢いだが、そんな少女達を前にしても男は肩を竦めるだけだ。
「まあ本当にそこの二人に申し訳なく思ってるなら、何かあった時はお前が守ってやればいいんじゃねえか?」
「え?」
「命令に逆らうことは許さない。 だけど目的さえ達すれば、その過程でお前がどんな判断をしようとケチをつけるつもりはねえよ」
それは今にも折れそうな少女を取りあえず繋ぎ止めるためだけの気休めだったのかもしれない。
だが全てに絶望し、何も残されていなかった少女にひとまずの指針を与えるには十分なものだった。
「仕事の方はおいおい教えていくとして、顔合わせはこんなもんでいいだろ。 それじゃあ改めて――ようこそ、クソッタレな日常へ」
そして身を挺してまで止めようとした実験が、何者かによって被験者が再起不能に陥らされたことよって凍結に追い込まれたことを少女達が知るのは一週間後のことだった。
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