過去ログ - 【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】
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295: ◆aGwfZTc7eA[sage]
2014/07/22(火) 00:45:31.37 ID:ZBpBmkLA0
書斎を後にした男は直ぐ間近の扉を開き、部屋に入る。 
玄関から見て、右側だった部屋は――どうやらリビングの様だ。
台所、四つのイスを備えた食卓、ソファーにテレビ、家人は几帳面と言う印象も、ほぼ間違いない様だ、
この月の光しか明かりが無い状況でも、清潔感が感じ取れる程に手が行き届いている。

「……」

先程の書斎と同じく、男はリビングをゆっくりと見て回る。
テレビは、多少は大きい物のようだ、リモコンや電源ボタンを押してみたが反応がない。
番組を見る事は叶わないが……家族と一緒なら楽しく見る事が出来るだろうと、男は思う。
次は台所――やはり手が行き届いている、汚いと思う所は一つもない、
この分ではホコリひとつ見つかる事もない。 男は、次に食器棚が気になった。

「色の違う茶碗が、四つ」

それぞれ違う茶碗が四つ、二つは、子供用だろうサイズも小さく、可愛らしいイラストがある。
もう二つは、大人用だ、薄い青と紅色の茶碗、ご夫婦の茶碗だろう、しかも手作りだ。
それを証明する同じ印らしき物がある、男は微笑ましくなった。

「楽しいものなんでしょうね、家族で過ごすと言うのは」

ふいに男は考える、暖かな食事を愛する者と食べる、楽しかった今日を話し、聞き、
好きな番組を見て、美味しかった食事に対しごちそうさまと良い、愛する者の手伝いをする。
――とても、楽しそうだ、無論良い事だけではないだろうが……"憧れる"。
男は、外が見たくなった。 隣の家や、他の建物の明かり等、人工的な光が消えている事が気になるが、
其れはそれで、雰囲気がある、出来る事なら、しばらく見ていたい。
――いや、やはり思わずにはいられない、隠そうとしても隠せない。

「私にも居るのでしょうか? 愛する者が、子が、父や、母が――」

しばらくして、男は苦笑し、リビングを後にする。
「失礼しました」と残して……扉を閉める。


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