過去ログ - 【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】
1- 20
297: ◆aGwfZTc7eA[sage]
2014/07/22(火) 22:25:51.43 ID:ZBpBmkLA0
「……」

扉を閉め、振り返った男の目に映る物、其れはすべてが"闇"に包まれた光景。
最初に目覚めた時と全く同じ――全く同じ、と言っていいかは解らないのだが。
しかし、こうして自分の世界が切り替わると言うのは、何故だろうか?
自分が関与しているとは……考えられない、何者かの手によるものだろうか?

「どちらにしても、歩きましょうか」

結局は、其れしかないと男は考える。
前に進み、色々な情報を知り、一息ついて考えを纏める。
それしかないが……一つくらい文句を言っておくべきだろうか?

「ため込むよりは、良いですよね? もっと色々なモノを見せてくださーい。
闇ばかりでは、眠くなりますよーっ」

誰かに向けてか? 自身に向けてか?
どちらにしても、偽りなき本心だと、男は断言できる。
――歩き、歩き、歩く。 その中で、男は考える。
自分はどうして、この状態にあるのだろうと?

「生まれた場所、育った場所、住んでいる場所、心に残る場所、
私の知り合い、私の友人、私の親類、私の家族、私自身。
――何故思い出せないのでしょう? 頭部を強く打ったから?
精神的ショックを受けたから……? 何者かの処置によるモノだから?
そして、目まぐるしく変わるこの世界は? ふふっ……楽しいですねぇ」

思案の途中……男は思わず笑ってしまう。
そして思う、不安が無い、恐怖も無い、心が負の方向に揺らがないのは、
自分の性格の為か? 今の自分は、失う前とどう違うのだろうか?
こうも、色々と考えて――男はまた一つ知った事がある。

「考える事……大好きなんですねぇ、私。 む?」

闇の中、歩き続ける男の目に一筋の光が見えた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
449Res/301.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice