過去ログ - 【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】
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326: ◆aGwfZTc7eA[sage]
2014/07/27(日) 01:03:48.64 ID:CHpUVdo40
男は走る。 迷いは抱けない、一瞬の迷いが危機を招く。
チラリと真横に視線を向ける、バハムートが木々から木々へ跳び移りつつ光刃を飛ばしてくる。
厄介だ。 男は現状、互角までにしか持っていけないがバハムートは勝負を決める武器を持つ。
――疲れは無い、体も問題なく動く。 
この差を埋めるには"発想"だ、"発想"で上回り行動するしかない。
それも相手の先手を取る形かつ迅速でなければならない。

「うおおっ!!」
「――くっ!!」

二つの状況を、男は瞬時に認識する。 
一つはバハムートが木を蹴り、方向を変えて此方に光刃を振るおうとしている事。
もう一つは、あと一歩踏み込み、跳び、蹴る事で"方向転換"が出来る木がある事。
"先手"を取られている現在の状況で、男に迷う暇はなかった。

「はっ!!」

男は跳び、前方の木を蹴る事で強引に方向を変える事で"光刃"を躱した。
"ある出来事に"一瞬心がフリーズしたが、体が覚えているのか男の意思に関係なく、
受け身を取り、立ち、振り返れば――蹴りがくる。

「うおらぁぁっ!!」
「――っ!!」

バハムートが落下する勢いに乗って、繰り出した飛び蹴りを、
"フリーズ"から立ち直った男は難なく躱す、バハムートの攻勢は止まらない、
回し蹴り、逆回し蹴り、手と足の攻撃を巧みに織り交ぜ、男を後ずさらせる。
後ろに下がりつつハバムートの攻撃に対処する男は"別の事"を考えていた。

「(死んだ……小鳥が、死んだ。 体を、焼かれて、骨も残っていないだろう、
たまたま、あの時の射線上に出たばかりに、死んで、しまった――
仕方のない事だ……だが、私は、ただ仕方のない事で片づけたくはないっ!
私に、私に出来る事は――っ、まず、この一方的な私闘を終わらせる事だっ!!)」

男は背後に物体を感じ取る。 木に追い詰められたと思うと同時に"イメージ"が浮かぶ。
――自らが所持する右の指輪を使い、"ベルト"を起動させ、左の指輪で"変身する"仮面の戦士の姿。
脳裏に浮かぶ"変身"と言う言葉に、男は何処か懐かしさを感じた。
何度も、何度も、沢山聞いた"魔法の言葉"の様な気がして、そして"何者かの声が響く"。

【ワー……ロッ……ク】
「ぜあぁぁっ!!」
「ぐっ!!」

遂に男を追い詰めたバハムートは回し蹴りから踵落としを繋げる事で、
男を強引に跪かせる――"同時に"。

【ドライバァァッ! オンッ!】
「あん?」

渋く、低い、男性の声が流れたと思えば、男のバックルが変化し"ドライバー"となった。
そして、男が叫ぶ、心の底から、力の限りっ! "魔法の言葉をっ!!"

「変身っ!!」


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