過去ログ - 【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】
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◆aGwfZTc7eA
[sage]
2014/08/05(火) 01:08:07.40 ID:KnQzcTJp0
「―――っ?」
一人の女性が、目を覚ました。 サングラスで目元はうかがえないが、整った顔立ちから解る雪の様に白い肌、
白く無地で長袖のワンピースからは彼女の肉付きの良さを実によく表しており、出る所は出て、引っ込む所は引っ込んでいる。
その筋の人間が彼女を見れば半数は彼女を欲しがるのではないだろうか?
――被っている筈の麦わら帽子が"男物のYシャツ"の上から乗せられている事に気づいた彼女は訝しみつつ、今の自分の状態を確認する。
「(だるい……疲労がとれてない、足が一番酷いや、体もそんなに冷たくなってない、
喉……乾いたなぁ、はぁ、マスターが作ったアイスミルクが飲みたい)」
如何に欲しようとも、今現在この場所にそんな贅沢品が無い事を、彼女は嫌でも痛感している。
極度の疲労を強靭な精神力で抑え込み、この"島"の周りを彼女は二日掛けて、周り切ったのだから。
けれども――彼女は疑問に思う、満足に水が得られず疲労困憊の状態で歩き続けた所、遂に限界を迎え、
うつ伏せに倒れ込んだ所まで、彼女は覚えている。 しかし今は、大量に掻いていた汗は見る影もなく、
男物のYシャツが布団代わりに掛けられ、同じく男物のスーツジャケットが丸められ、枕替わりに置かれている。
額には半渇きの白いハンカチが置かれている。 少し離れた所には、焚火の跡。 以上の事を考えるに、誰かに助けられた可能性が高かった。
「(Yシャツの長さを考えるに、其れなりに長身の男、ブランド物って訳じゃないっぽいし――高所得者とは言えないかな?
好んで着ているとも考えられるけど……今はどうでもいいか。 額のハンカチは、ほぼ無地の白、か、
右端に彫られた"George"……"ジョージ"か、どんな男かしら?)」
その場で調べられる"ジョージ"の物と思われる所持品を調べ、最低限の情報を彼女は集めるが、
目覚めたばかりだと言うのに強い倦怠感が起き上がるのを拒む、如何にか再び眠りに落ちる事だけは避けたい。
彼女は寝心地の良いスーツジャケットを調べるのは後回しにし、周りに視線を向ける、まずは焚火。
「(火は消えているけれど……まだ煙は出ている、傍には大量に集められ、纏められた枯れ枝、くべる為ね、
けれど何らかの要因で消えてしまった。 う、ん――駄目ね、焚火からは大した情報は得られない、
短時間ではないにしろ、私を助けた"ジョージ"なる人間は何処かに行っている事も解るけど)」
彼女は焚火の他にも何か無いか探すが、特に気になる物は無かった。
深くため息を吐き、寝心地の良い所まで首を戻す、仰向けになって、見える景色は、広く、眩しく、綺麗だ。
だが、何時までも見ていたくはない、早く……心落ち着くあの場所に帰りたい。
「――ジョージには、悪いけれど、寝ていてばかりじゃいられないんだった」
不意に、彼女は思い出した、現状、多大な苦労を労せず"日本"へ帰れる可能性が一つだけある。
無論簡単には行かないだろうけれど、試さずに逃してしまうには惜しい可能性、
彼女"冴羽 薫"(さえば かおる)は島を周る道中でその可能性を見つけ、その可能性の所有者に出会う為、
疲労困憊に体に鞭打って、こうして歩いてきたのだ。 どれだけの時間が経ったのかは解らないが急ぐ必要がある。
「ん――くっ」
そうして彼女が始めたのは……ツボ押しだ、疲労に悲鳴を上げる両の眼に効くツボを押しもみ、
倦怠感に効くツボも押しもむ、疲労が一番酷い足、此れに関しては効果のあるツボを知らなかったが、
何もしないよりは良かった――生じる多少の痛みにこらえ、自己流のケアを終えた薫はYシャツをはぎ、
愛用の麦わら帽子を被り立ち上がろうとする。 その時だ、高所から落下してきたと思われる着地音が傍で聞こえてきたのは。
薫は、固まる、着地音を立てた存在があまりにも人間とは程遠い"外見"をしているからだ。
「(あ、あ、あ、あ、ぁ――)」
奇抜、奇抜と言う言葉が相応しい筈だ――その存在が振り返り、薫に気づく、
あまりにもミスマッチな生きている"魚"数匹を抱えて。
「よかった、気が付かれたんですね」
「(が、顔面宝石男が……喋ったっ!?)」
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