過去ログ - 【艦これ】 鈴谷「……え、この子たち皆が?」 提督「秘書艦、なんだ……」
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106: ◆FS4Zx/W3oaqe[saga]
2015/01/07(水) 23:24:38.52 ID:ZuasrzyR0
「けれど鈴谷さんは今まで、こうして秘書艦として、提督の『右腕』役に携わってこられました。つまり、鈴谷さんは、提督に『信頼』されている、と結論づけられます」
「……信頼」


 霧島さんの、その一言がヒットした。
「信頼」……あたしが、提督に?」


「い、いやその……信頼されるような艦が、セクハラリストを作るものですかね?」
「いえ、鈴谷さんは信頼されているでしょうね」


 また、違う声がした。
 今度、あたしの近くにやって来たのは、金剛さんの直属の妹――比叡さんだった。
 彼女は一口、ビールを口に含んだ後で、


「明らかに提督に対して反発している艦――例えば、曙さんとか霞さん――は、彼女たちの希望もありましたが、すぐに秘書艦としての業務を解かれてます」
「それはたしかに、わかりますけど……」


 あたしもまたビールを口に含んでから、そう応える。
 たしかにあの二人は、秘書艦向きではないだろう。提督に責任があると言えないこともないけど、あの子たち自身、
 そもそも「提督」というものに不信感を持っているようにすら思えるし。
 ……まぁ、駆逐艦という一番「ちっこい」艦娘ということも影響しているんじゃないか、とも考えちゃうわけだけど。
 ほら、素直になれないとか、有り体に言えば……子供っぽいとか。


「鈴谷さんも、先ほど仰ったように『セクハラリスト』を作られたり、提督に対する不信感は、表向きでは大きいと思われてます」
「そ、そうですか……やっぱり」


 あのセクハラリストに、そんな効果があったんだ……まぁ、何となく察してはいた。
 とはいえ正直、何となくノリで作ってみただけなんだけどね……。
 まぁ、作らない人は絶対に作らないだろうとは思ってはいた。
 例えば、すぐそこでゴクゴクとビールを呑んで、幸せそうにしている金剛さんとか。
 

「けれど鈴谷さんは、実際はそうではないでしょう?」
「……」


 どこか悪戯っぽく尋ねる比叡さんに、あたしは言葉を返せなかった。
 どうやら、あたしは金剛型の方々に弱いらしい。
 もちろん、話していて苦手という意味ではなく……どうしても、返事に窮してしまいがちだ。



「あ、あたしはですね……その」


 比叡さんたちお三方としっかりを視線を合わせ、あたしは応える。


「て、提督が嫌いじゃないわけではない……いえ、もちろん、セクハラとかはダメだとは思いますけど。
 でも例えば、提督とずっと一緒にいる電ちゃんたちとか――そういう子たちに比べたら、あたしは提督を慕ってはいないでしょうし……だ、だから」
「素直じゃないネ、スズヤ!」
「わっ!?」

 あたしが自分の主張を伝えている途中で、可愛らしい声と身体に、それを遮られることになった。
 抱きつかれるまま、壁に背中を預ける格好になる。ビールのジョッキをテーブルに置いておいて助かった……。
「誰が?」なんて、確認するまでもない。そこにいたのは……。


「スズヤは、Very Cute! ダカラ、提督もずっと近くにいさせたいんデス!」


 あたしに抱きつきながら、お相手――金剛さんは、顔を真っ赤に染めながら、ブンブンと首を振る。
 ……ああ、分かりやすいほどに、酔っ払っているね、これは。 
 とはいえ、そのせいであたしから見れば、余計に「可愛い」と思ってしまう……「可愛いは正義!」とか言われるわけだね、これは。


「い、いえ、その……提督から見て、可愛さなら……そう、例えば、瑞鳳ちゃんとかも本当に可愛いと思いますよ?」


 そう金剛さんに返しながら、あたしは彼女の姿を思い浮かべる。


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