過去ログ - 【艦これ】 鈴谷「……え、この子たち皆が?」 提督「秘書艦、なんだ……」
1- 20
107: ◆FS4Zx/W3oaqe[saga]
2015/01/07(水) 23:27:04.45 ID:ZuasrzyR0
 軽空母たる瑞鳳ちゃんも例にもれず、一時期、秘書艦を務めていた。
 ただでさえ色々な意味で可愛い彼女は、最近「卵焼き」を作ることにハマっているらしい。
 料理の練習のため、あたしが食堂に訪れる間に、彼女が間宮さんと一緒に厨房に入っている所を見たことがある。
「なにしてるの?」と訊いてみれば、「今度のクリスマスに、提督に卵焼きを作ってあげるの!」と、本当に嬉しそうに応えていたっけ……。
 まぁその時の本当に可愛い笑顔が、あたしの脳内にずっと残っているんだけどさ。


「Yes! たしかに、ズイホウもVery Cute! But……」


 そこで、コホンと一息つくと、金剛さんは、


「スズヤは、その……何か違う、Special、なんだとおもいマス」


 顔を赤らめながら――それがお酒によるものなのか、はたまたそれ以外のものなのか分からないけど――ゆっくりと、あたしに言った。
 どちらにせよ、とても色っぽくて、大人びてながらどこか子どもっぽい、そんな感覚だった。要するに、メチャクチャ可愛いってこと。


「……スペシャル」


 あたしは、そう呟いて考える。
 あたしが提督にとって特別、ってこと?
 それは一体……。


「――金剛。少し、いいか?」
「いいかしら、金剛ちゃん?」


 あたしが頭の中をグルグルとさせていると、助け舟(?)が現れた。
 さっきも聞いた、大人っぽく凛として柔らかな声だ。

 
「Oh、ナガト、ムツ! どうかしまシタ?」
「少し、鈴谷と話したくてな」
「Yes! それじゃヒエイたち! 私と話しマショウ!」
「は、はい、お姉さま!」


 金剛さんはそう言って、あたしからパッと手を放して、移動していった。
 ……立ち去る際にあたしの耳元に口を寄せて「スズヤはやっぱり可愛いネ」なんて言ったことを、あたしは決して忘れないだろう。


「どうかしたか? 顔が真っ赤だが」
「……いえ、何でもないです」


 ここ最近、毎度のように顔を赤らめているあたしとしては、半ば開き直りに近い態度を取らざるを得なかった。
 それに、長門さんも陸奥さんも、からかうような視線を向けてるし……。


「金剛がああ言ったのは、酔いだけのせいではないと思うぞ」


 その言葉に、ハッとした。
 あたしが視線を向けると、長門さんはとても優しげな表情をしていた。


「金剛が提督の秘書艦だった期間は、言うまでもなく最も長い」
「は、はい。それは、よくわかります」


 長門さんが教えてくれるまでもなく、あたしはよく分かっていた。
 金剛さんの言う「Very Long」は、誇張抜きで本当のことなのだろう。


「私は君が、もしかしたら金剛の在任記録を抜いてしまうんじゃないか、なんて思ってしまったりもするんだ」
「……はい?」


 悪戯っぽく言う長門さんに、つい間の抜けた返事をしてしまった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
144Res/142.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice