過去ログ - 僧侶「勇者様の素顔は謎に包まれている」
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33: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/07/24(木) 10:19:52.47 ID:V+95hIPX0
暗黒騎士「俺は人間を裏切り、魔王に――」

勇者「じゃあ、何で俺を殺そうとしなかったの?」

暗黒騎士「は――?」

勇者「暗黒騎士の剣は確かに容赦無かったけど、何か俺を殺そうって気が感じられなかったんだよね。何ていうか…」

勇者「俺に剣の指導をしてくれたみたいな?」

暗黒騎士「――!?」

勇者「俺の剣は、まだ魔王を討てる程のものじゃなかった。けど」

勇者「君との戦いで、何かが掴めたような気がするんだ」

勇者「君はそんな気は無かったかもしれないけどね」

暗黒騎士「…」

勇者「ま、いいや。とりあえず魔王ぶっ殺してくる。だからそれまで寝てろ」

>そう言って勇者は地面に落ちた兜を拾い、暗黒騎士に背を向けた。

暗黒騎士「待っ…クッ」

勇者「戻ってきたら回復してやるよ。あ、動けるようになっても逃げるなよ。…話したいことは沢山ある」


>そう言い残し、去っていく勇者の後ろ姿を見ながら、暗黒騎士は自分が勇者だった時のことを思い出した。

>最初に思い出したのは、村での事件の事。その後居候が勇者として剣を取ることも、自分が生き残ることも予想などしておらず、ただ一人の男として、居候の無事を願っていた。だから賢者に手を引かれ去っていく居候の姿を見送って、本当に良かったと思えたのだ。
>魔王軍に囚われた時、人間を裏切ってまで生きることを選んだ。そこまで生きることに未練があったのは、居候との永遠の別れを惜しむ気持ちがあったからかもしれない。

>だとすれば、暗黒騎士の中で大きな存在となっていた彼女を殺せるはずはない――


暗黒騎士(甘いのは、俺の方だったわけか…)



>暗黒騎士は、しばらく想いを巡らせていた。


>彼の左腕は次第に力を失っていき、長い時間の後、消えていった――


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