16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:36:14.62 ID:9uLTT2Jd0
「もし本っ当に、からっきし運動できないとかいう子だったら、俺も面倒見きれねぇぞ」
高木が一瞬、不安そうな顔を覗かせ、またいつものニヤケ面に戻った。
「半端モンのアイドル担ぎ上げたって、新風は巻き起こんねぇんだろ?」
そんな事は分かってる――そう呟きながら僕は席を立ち、コーヒーを淹れようとした。
扉が開き、彼女が事務所を訪れてきたのは、その時だった。
「あ、あの――ごめんください」
高木も僕も、驚きのあまり思わずその場にコーヒーカップを落としてしまった。
「あぁ、す、すみませんっ! ビックリさせてしまって、私――!」
「あぁいやいや、大丈夫! 大丈夫だから、やっすいモンだからこんなのは!」
僕のカップは陶器、一方で高木のはプラスチック製の安物だ。
つまり、僕のだけが床に落とした衝撃で割れてしまった。
さらに、高木のヤツは僕の割れたカップをして安物だと言っている。
驚かせたことを一生懸命に謝る彼女をなだめるためだろうが、何か腑に落ちない。
美味しい所ばかり持っていきやがって、まったく。
うるさい女は好きじゃないのだが、目の前で慌てふためく彼女は嫌いじゃなかった。
195Res/201.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。