過去ログ - 高木「人生に乾杯を!」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:39:54.11 ID:9uLTT2Jd0
 高木にコーヒーを淹れるよう指示し、彼女を応接室のソファーに座らせる。
 彼女はよほど恐縮しているようで、小さい肩をさらに縮ませ、ガックリと俯いていた。

「カップのことは、気にする必要ないですよ。
 大分年季が入っていたし、そろそろ買い替えようと思っていたんです」

 これくらいの嘘は言ってあげないと、彼女はいつまでも顔を上げてくれなさそうだった。
 それに、昨日醜態を晒した分、今日は努めて紳士的に振舞おうと僕は心に決めている。
 相手が大学生か高校生くらいに見えても、敬語、丁寧語――。


「改めて自己紹介しますね。
 このアイドル事務所の代表をしている、黒井祟男です。あっちは副社長の高木順二朗」
 高木の方を指差そうとしたら、既に高木はコーヒーを注いで傍まで来ていた。

「つっても、この事務所のスタッフは社長と副社長しかいないんだけどね」
 ハハハ、と誘い笑いをしながら、高木は雑な仕草でカップを置いた。
 もっと丁寧に置け。


「あ――お二人しか、いらっしゃらないんですか?」
 ようやく顔を上げた彼女の表情は、少々驚いた様子だった。

「あぁいえ、あとアイドルが二人――まぁ、やっぱり少なすぎですよね」
「いえ、そんな――」
 俯きつつ、必死に取り繕う言葉を探しているようだ。
 余計な気を遣わせてしまったな。



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