36: ◆YkC6iYZjHk[saga]
2014/07/27(日) 21:35:41.56 ID:k1ViwbC00
武蔵に連れられた場所は『甘味所間宮』という所であり、落ち着いた洋風の内装でありながら人で溢れかえっている場所であった。
明らかに自分と年の近い男勝りな黒髪の艦娘がアイスクリームを前にキラキラしているが見なかったことにしている。
2人は少し並んだあと案内された席に座りメニューを開いた。内装から予想できた通り洋食の料理とデザートが主流の店のようであり価格は特段の物を除けば600円〜1200円ほどで防衛圏の東端にも拘らず本土よりも2割程度安い。
武蔵「好きなものを選んでくれて構わんよ。昼食の代わりだしな」
武蔵がそう告げる。艦娘の給与は本土のカチグミ・サラリマンよりも高いと聞いているので遠慮なく注文させてもらうことにした。
写真つきメニューを読み進めるとャンボプリンパフェのところで目が留まった。付近の土地から取れるフルーツがふんだんに使われている上に大量の生クリームと大きいプリンが乗っていて価格は1000円と極めて良心的である。本土で同じものを食べるのならば最低でもその倍はかかるだろう。
大和「じゃぁ・・・ジャンボプリンパフェでいいですか」
恐る恐る大和は尋ねた。
武蔵「奇遇だな。私も同じものを頼もうとしていたところだ。決まったのならば早めに注文するとするか『事故』で今日は回転率が高いだろうしな」
武蔵はそういうと手元のベルを押した。
??「はーい!今行くよー!」
皐月「おお!君が新規配属の大和さんだね!ボクは睦月型の皐月!よろしく!」
大和「はい。此方こそ」
皐月「それで注文は何かな?」
武蔵「ジャンボプリンパフェを2つだ」
皐月「分かったよ2人とも!すぐに間宮さんに頼むからね!」
そういうと皐月は伝票を手早く扱い厨房へと駆け込んだ。
大和「皐月さんも艦娘ですけれど・・・なぜここで働いているのです?」
武蔵「時給が出る上に賄い料理があるから仕送りをする艦娘にとっては理想のバイト先だ。それに18時からは営業形態が一変するから残業の可能性も低いしな」
大和は与えられる給与をすべて自分で扱えない艦娘が居ることを再認識した。シーレーンの破壊などによる経済活動の停滞は本土における貧富の格差を広げ就職難を発生させていたのだ。その結果『最後の手段』として自らの娘を艦娘養成学校に入学させ艦娘にし、その給与を仕送りしてもらうという方法を取っている家庭も生まれたのだ。
大和がそう物思いに耽っていると皐月が大きなパフェを2つお盆に乗せ運んできた。
皐月「お待たせ!ジャンボプリンパフェ2つだよ!それじゃぁ!」
そういうと風の様に皐月は去って行った。
武蔵「それでは・・・頂くとしますか」
大和「そうですね」
そういうと2人はスプーンを手にしパフェを食べはじめた。
空腹と甘味の為か本土でもそう簡単に食べれないボリュームのあるパフェを完食するのにそう時間はかからなかった。
大和「甘すぎず控えめ過ぎない甘さ加減が絶妙でした・・・。美味しかったです」
大和は夢心地で口にする。
武蔵「私も久しぶりに甘いものを腹いっぱい食えたからな・・・満足だ」
武蔵もまた同じようであった。
武蔵「和風の物が食べたいなら『居酒屋鳳翔』に行くといい。『和の鳳翔・洋の間宮』と並び称されるほどだからな。ちなみに双方とも18時を超えるとアルコールを取り扱い始めるが扱うアルコールも1流の物ばかりだ。値段はかなり張るけどな・・・」
大和「私はあまりお酒が得意ではないので・・・」
養成学校卒業時に振る舞われすぐに酔い潰れたことを大和は思い出した。
武蔵「そうなのか。では済まないが後続が結構いる為すぐに席を立つとしよう」
その武蔵の言葉を皮切りに2人は会計を済ませ素早く店を後にした。
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