2: ◆R3w6VC0mCvpW[saga]
2014/07/28(月) 20:12:06.31 ID:/A4b8bPJ0
【プロローグ 〜憧れのアイドル〜】
昨日最後の部員が辞めて一人になった。たった二ヶ月のスクールアイドル生活。部室に残った沢山のグッズ。
『スクールアイドルとかもう冷めたから、もう要らない』
その言葉すら胸を刺した。同じアイドル好きで、色んな楽しい話で盛り上がってたのに。
早々に辞めた子は廊下で挨拶しても無視された。何がいけなかったのか。
私はみんなと一緒に本気でスクールアイドルの頂点を目指していたかっただけなのに。
……原因は分かってる。私と皆の心の温度。
「ほら、まだ休まない! ふぁいとー!」
窓の外から聞こえてくる運動部の掛け声。あんな声が聞こえないくらいに、楽しい時間だったのに。
確かに、練習は妥協を許さない感じだったけど。
でも、それも輝かしいスクールアイドルの為に……。
アイドルやスクールアイドルに詳しかったり興味ありそうな子に声を掛けて集めたメンバーは私を含めて七人。
全員遊びというか、話をしたり、軽く真似たダンスをしたりするのが目的だったというだけ。
最初から仲間であるように見えて……にこだけが仲間外れだったんだ。
『丁度メンバーが七人だし《Lucky Girls》と名付けましょう♪』
始まりになるんだって、これから人気を集めて有名になって、スクールアイドルの祭典ラブライブに出場するんだって。
たった一人で考えて、空回ってた。酷く滑稽……。まるでピエロみたい。
でも、これが初めてって訳じゃない。私は小さい頃から気が付くと一人ってことが多かった。
みんなの輪の中に入れてた筈なのに、ふと気付けば一人ぼっち。
だからって、一人に慣れることなんてありえない。胸を締め付けるような苦しさが現実を教える度に、泣きたくなる。
せめて、せめて私が作曲出来ればみんなの心も変わっていたのかも。
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