過去ログ - にこ「夢なき夢は夢じゃない」
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5: ◆R3w6VC0mCvpW[saga]
2014/07/28(月) 20:18:32.06 ID:/A4b8bPJ0
── 一ヵ月後 公園

練習メニューで一番困るのが柔軟体操。

腹筋は壁に足をくっ付けた状態で無理やりするけど、柔軟だけは一人では無理。

家なら妹達が手伝ってくれるけど、そうなると限られてしまう。

ただでさえメンバーも集めることの出来ない状態。

他のグループは先輩から教えられたり、自分達で調べて練習しているんだ。

完全な焦りによる思考の空回り。

居ない者は居ないし、居た者も居ない。

もう夏休みに突入しそうなそんな時期。

休みに入ってしまえば絶対にメンバーは増えない。

でも、夏休みさえ明ければ噂は消えてるだろうし、メンバーは増やせるかもしれない。

二つの思いが行ったりきたりして心が安定しない。

その所為で最近余り眠れない。

朝起きた時に顔のパックを外した後のどんよりとした顔はアイドルに程遠いわ。

クラスでも完全に孤立して、学校内で話す人が誰一人として居ないのも心にキてる証拠ね。

にこ「はぁ……。眠い」

それでも毎朝の日課を寝不足を理由でヤメるわけにはいかない。

一人の場合は特に緩められない。一度でも自分に甘くするとズルズルといってしまうから。

土曜日の朝とはいえ、まだ早い時間だけに散歩している人が二人くらいしかいない。

準備運動と走るだけが目的だから人が少ない方がいいので都合がいい。

にこ「……っ……ふっ!」

外で一人で準備運動していると何故か恥ずかしさが込み上げてくるのはどうしてかしらね。

だからって手を抜くと足を釣ったりするから丹念に……。

柔軟がきちんと出来れば怪我しにくくなるしいいんだけどなー。

暗い考えになる前に走り出す……。


にこ「はぁはぁ……はぁ〜」

外周を三週した後、半周歩いてから漸く足を止めて息を整える。背負ってるリュックからタオルを取り出して汗を拭う。

にこ「……ゴクゴクッ……ぷはぁっ」

魔法瓶の冷たい水が喉を潤して、心も潤してくれる錯覚さえするわ。

実際には寝不足と疲れが合わさって吐きそうだけど。

ベンチで少し休むことにしましょう。

寝不足はストレスも溜まるし、どうにかしないと。

もう夏本番とはいえ、朝はまだ涼しい風が吹いている。

目を瞑って吐き気を遠ざける……。

──大好きだばんざーい!

耳に届いたのは澄んだ綺麗な歌声。

吐き気すら忘れて、耳に全身系を集中させる。

それはまるで、あの人の歌を聴く時のように。

聴き終わって直ぐに体を起こして、歌ってた人の元へ走る……!


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