23: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/07/29(火) 20:50:25.11 ID:YJpQUpwa0
「まゆ、諦めませんよ」
「…………?」
「正々堂々と、プロデューサーさんを落として見せます」
「そりゃいい、戦場ヶ原と挟まれて右往左往する阿良々木は見ものだ」
阿良々木と戦場ヶ原が正攻法で崩れるとは思えんが、ルール無視が世界一通用しない二人だ。
正攻法こそが一番の近道なのかも知れんな。
俺にとってはどうでもいい話だ。
新しくやって来た肉の群れを佐久間に押しやる。
「いいから食え、アイドルだか何だか知らんがお前は細過ぎる。阿良々木が引くくらい太れ」
「ダメですよぉ、まゆ、元々モデルだから体型は崩せないんです」
ああ、そうか。
アイドルはボクサー並に体型管理が必要だったか。
好きなものもそう簡単に食えないとは哀れに感じるが、相応の見返りとしての人気と金ならば頷ける。
最も俺はそこまでして金が欲しいとは思わんし、佐久間が肉が好きなのかどうかも知らんが。
自分の欲望のままに生きられずに、何が人間だ。
徹底した管理の下、一定の数値を維持することを強いられ、作られた偶像を演じさせられる。
そして彼女たちに魅了された人間どもは狂ったかのように私財を擲つのだ。
ああ、なんだ。
アイドル自体が怪異みたいなものじゃないか。
「良かったらまた、一緒にご飯食べましょうね。貝木さんともっとお話、してみたいです」
「いいだろう。金を払え」
それこそ、たちの悪い冗談だ。
まゆミミック END
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