過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「俺は一番になりたい」佳織「チャンピオン……?」【安価】
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235: ◆uyhWeNAxHY[saga]
2014/08/09(土) 22:09:55.11 ID:G9g7OsoRo
sagaってなかった……こちらが訂正になります


 ダメだ……考えれば考えるほど状況の最悪さが身に染みるだけで
 どうにかこうにか自分が助かる方法なんて一つもないように思える

 もはやこれまでなのだろうか?

 須賀京太郎はたった一つの好奇心から前科持ちへと身を落とすのかよ
 前科持ちへの世間の風当たりは厳しいぞ。ここは優しい世界なんかじゃない
 しまいには、皆からも――鶴賀麻雀部や照さんからも見放されて
 孤独のまま残りの人生を終えてしまうんだ……

 ああ、あの時の俺はどうして欲望に身を委ねたんだ!

 好奇心は人をも殺す、なんてことを言った人がいたが
 上手いこと言ってるよな、あれ。今まさにそうだもん

京太郎「…………」

 嫌だな。冷たい牢屋にぶち込まれるのも、不味い飯を食うことになるのも

 いつも通り朝起きて、登校して、授業を聞いて
 中身の内容な話を友達として、放課後になって
 部室に行って、皆と、麻雀を打って

 家に帰ったらカピーにエサをやって課題を済ませるんだ
 それで、寝る前にまた麻雀を打って
 明日は何しようかって考えながら眠りにつく

 当たり前の日常は、もう帰ってこない

京太郎「……っ!」

 でも、それはもっと、嫌だった

 皆とも普通に会えなくなって、麻雀も打てなくなって……
 今ある充実した現実を失ってしまうことが、俺は何よりも嫌だった
 たった、こんなことで手放してしまうことになるなんて
 絶対に、認められない

京太郎「なっ……」

 だから、言うんだ

 一体今更何を言えばいいのかなんて見当もつかない

 だけど……だからこそ!

 こんなところで諦めて、後悔して
 それで自分を苦しめて、誰かを悲しませてしまう
 それだけは、絶対にしたくない

京太郎「出来心だったんです!」

京太郎「ちょっと見かけない美人さんがいるなと、気になって……」

京太郎「だから、ごめんなさい! 許してください! 何でもしますから!」

 シーン、という音が聞こえるくらいの静寂に辺りが包まれる

 兎に角何かを言おう言おうとばかり考えていたからか
 さっきどんな言葉を叫んだのか、いまいち記憶には残っていない
 だけど……ある意味では取り返しのつかないことを言ってしまった
 そんな予感がして、俺は押し黙る

 一秒、二秒……

 全く動じていない風な背後の瑞原プロモだんまりで
 ただただ降り注ぐ陽気に俺の体は汗を量産していく
 そのうち何割がイヤな汗なんだろうかとか
 瑞原プロは俺の男臭い汗が気にならないんだろうかとか
 どうでもいいようなことばっかりが頭を通り過ぎていく



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