10:1[sage]
2014/08/02(土) 01:57:44.82 ID:n0O0dDR9o
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「「ありがとうございました」」
「……ありがとうございました」
ハァ……、今日も勝ちきれんかったなぁ。
ウチがプロになってもう5年。もうすぐ6年目に入る。
大阪の家と、こっちにあるチームで借りてるマンションを往復しての生活も慣れたもんや。
まあアレもコレも、家の事なんかを全てやってくれるオカンと絹のおかげやな。
「洋榎ちゃん、お久しぶり〜♪」フリフリ
「あ、咏の姉さん、お疲れ様です」
「やだなー、そんなに畏まらんでもイイんだぜ?まあ、知らんけど」
流石や……バリバリ大阪人のウチでも、このマイペースさには、とてもやないけど勝てへん。
「あの、咏さんはなんで、此処に?」
今日のこの会場は、B級だけが集まる大会だ。
グランドマスターに最も近いと言われている、この化け物が来る様な所やない。
「あー今日は審判の仕事組まれてねー、資格持ってると色々やらされて面倒だぜー」
「それはそれは、ホンマにお疲れさんでしたわ」
「まあ、見るだけならこの階級が一番楽しめていいだけどね。知らんけど」
ううっ、グサッと来たで……ホンマ。
やっぱりこの人にとっては、ウチらの戦いなんて楽しめる程度でしかないんやろな……。
ハァ……チャンピオンは別格としても、同じ大阪出身の円城寺怜や江口セーラの二人ともウチを追い抜いて先に進んでもうた……。
チャンピオンと同じ様にけったいな能力を使う円城寺はともかく、セーラはウチと似た様な実力で対して変らんはずなのに、あっちはA級でバリバリ活躍して、ウチはB級に留まったまま……。
何が違うんやろか?プロに入ったばかりの頃はウチの方が成績が良かったちゅーのに。
「うっふふふっ、まあ悩むが良いさ若人よ♪」
ぐうっ!?心を読んだわけやないやろけど、この人は何でも分かった様に言い切りおるからな。
何と言うか話してるとプレッシャー掛かるんよね……。
ハァ……、こういう時は恭子に会いに行くか、漫で遊んで気晴らしでもしたいわ。
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