過去ログ - 【俺ガイル】 八幡「例えば、あり得たかもしれないそんな世界」
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23: ◆SnKC1m7x8.
2014/08/02(土) 17:35:29.02 ID:wtQIWKT/0
「ぼっちにはぼっちで色々とあるんだよ。リア充なおまえには分からないだろうけどな」

「へ? なんであたしがリア充?」

「だってこの前、友達のことあだ名で呼んだり、友達からファーストネームで呼ばれたりしてただろ?」

移動教室やトイレに行く際、隣のクラスである1年E組の前を嫌でも通ることになる。
その時にチラリと見かけてしまったのだ。
こいつがクラスの女子に『結衣ちゃん』と呼ばれ、その相手を『さがみん』というあだ名で呼んでいるところを。

「入学してたったの1週間でそんな友達作るとか、超リア充じゃねぇか。一体どんなコミュ力してんだよ」

「そんくらい超普通のことだし! ってか、もしかして……、あたしのこと、気にかけてくれてたりしたの?」

「はぁっ!? ぜ、全然そんなんじゃないから! その光景を偶然見かけただけであってだな、その、まぁ全く心配していなかったと言えば嘘になるがそこまで気にかけていたというわけでも……」

「ふふ、ありがと。ヒキガヤくんって、やっぱり優しいんだね」

「……んなことないだろ」

そんなまっすぐな瞳で礼を言われても困ってしまう。
実際、俺は由比ヶ浜を助けるようなことは、一切できていないわけだし。

「それでも、……あたしはさ、すっごく感謝してるんだよ」

やめろやめろ。
恥ずかしい台詞禁止!

「あぁ〜あ、せっかく良いとこあるのにもったいないなぁ。ぶっきらぼうな態度ばっか取ってないで良い部分をもっと表に出せば、きっとすぐに友達できるのに」

「ケッ、ぶっきらぼうな態度で悪かったな。そもそも俺は良い奴なんかじゃないし、仮に良い自分を装って友達を作ったところで、そんなものは偽物だ」

「たはは、捻くれてるなぁ……」

家族にもよく言われます。
さっきからざわついている心をどうにするためにも、この場はさっさと立ち去るのが吉だろう。

「んじゃ、昼飯も食い終わったことだし、俺はそろそろ行くわ」

「あ、うん。またね」

「……おう。じゃあな」


『またね』なんて言葉をかけられても、俺には『またな』と返すことができない。

クラスでの由比ヶ浜は、中々楽しそうに過ごしている様であった。
だからもう、俺が心配する必要なんてどこにもない。
あの事故の一件以外に、俺とこいつの接点は何もないんだ。
ならば、俺とはこれ以上関わるべきではないだろう。

事故のことも俺のこともとっとと忘れて、楽しい友達ごっこを満喫していれば、それで良いんだ。



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