13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:14:11.79 ID:SluoaBc3o
彼は顔を上げて、隣を見た。
そこに座ってたのはおそらく大学生であろう女の子で、
小柄な体躯と不釣り合いに大きな鞄とギターケースを肩に負い、
そして厳ついヘッドホンを首から下げていた。
彼は文庫本を少し上げて、その背を隣人に見せた。
その作者知ってます、と彼女は嬉しそうに笑った。
それからその作者が若くして病死したことだとか、遺された原稿についての話だとか、
そんなことを矢継ぎ早に語り出した。
突然のお喋りな来訪者に面食らって、彼は視線を所在無げに
手に持った文庫本と隣に座る彼女の間に漂わせていた。
83Res/33.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。