5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 17:35:52.22 ID:SluoaBc3o
小学校では体育館裏にある小さな農園、中学校では屋上へと続く階段の踊り場、
高校では教師から鍵をちょろまかした生物準備室。
そのあたりが彼の定位置だった。
誰かが訪れる心配ない場所でしか彼の気は休まらなかった。
一人きりで腰を落ち着けて、本を読んだり宿題を済ませたりしながら、
彼は長すぎる休み時間をどうにかやり過ごしていった。
幸い、勉強は嫌いではなかった。
少なくとも、数式や化学反応や世界の歴史は
彼が鉄でできているからなんて理由で対応を変えることはなかった。
紙の上に並んだ無機質な活字は、人々が口にする言葉よりも
よっぽど優しいものに彼には感じられたのだ。
自然と彼は高い水準の成績を残すようになり、
そして地元のそこそこ有名な大学に合格を果たした。
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