過去ログ - 全身が鉄でできている人の話
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 20:38:52.81 ID:SluoaBc3o
「なにも言うことはないんですか」

彼女は彼のほうに顔を向けて、尋ねた。
今度は笑ってはいなかった。
彼はその視線から逃げるように、
以下略



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 20:42:18.88 ID:SluoaBc3o
求めている答えが、さっきとは違う類の物であることには勘付いていた。
それでも、彼はやっぱり何も言わなかった。

重苦しい沈黙だけが二人の間に横たわり、そして時間が過ぎていった。
風が木々を揺らす音と、どこか遠くから聞こえてくる
以下略



53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/02(土) 20:45:48.24 ID:dYBmZVR4o
うおおおおおおしええええん


54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 20:46:02.79 ID:SluoaBc3o
「そろそろ時間なので、行きますね」

彼女は立ち上がって、彼の真ん前にきた。
そして、彼の顔をまっすぐ見据えた。

以下略



55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 20:49:30.28 ID:SluoaBc3o
先ほどよりも遙かに強く、卒業証書の筒が振り下ろされた。


「バーカ!!」

以下略



56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 20:53:13.61 ID:SluoaBc3o
頭を揺らす衝撃が身体全体に広がっていくのを感じつつ、
今から追いかけても簡単に追いつくな、なんてことを彼は考えた。

それでも彼は立ち上がることなく、
彼女が歩き去った方向を、ただぼんやりと眺めていた。


57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/02(土) 20:54:19.94 ID:dYBmZVR4o
鉄が泣いてベンチで座ったまま錆になるのか


58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 20:56:43.48 ID:SluoaBc3o
最初と、その次と。

じゃあさらにその次は何だったんだろうか、と彼は考えた。
なんで彼女はずっとこのベンチに来てくれたんだろうか。

以下略



59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 21:00:06.57 ID:SluoaBc3o
そして何も考えないまま、彼はずっとベンチに座り込んでいた。
辺りが暗やみに包まれて、遠くから誰の声も聞こえてこなくなるまで、一人で。


60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/02(土) 21:01:59.95 ID:afAORaEao
もしも携帯電話が存在しなかったら〜みたいなの書いてた人かな
違ってたら失礼だけど


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