7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 17:47:44.04 ID:SluoaBc3o
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大学生活が始まってからも、彼の日々の過ごし方は特に変わらなかった。
突き刺さる視線に気づかないふりをして素早く移動、
教室ではなるべく隅に座り、他人との協力が必要な講義は出来る限り避ける。
特に入学したての頃は部活やサークルの勧誘活動が盛んなせいで、
人目を避けるのにはかなり難儀した。
当然、彼にはバイトもサークルもするつもりはなかった。
俺を受け入れてくれる集団なんてあるはずがない、そう考えていた。
キャンパスが広いせいで退避場所を探すのには多少苦労したが、
地図を必死に睨みつけて、古い校舎が並び建っている辺りに
死角の様になっている小さなスペースを見つけ出した。
実際に行ってみると、そこは校舎や植木に囲まれいるおかげで人目につきにくく、
人通りも全くと言っていいほどない、理想的な場所だった。
しかもおあつらえ向きに、朽ちかけた柱と屋根の下に
古ぼけた金属製のベンチが一脚置いてあった。
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