20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/03(日) 22:02:04.55 ID:dMtqDtw/0
一月 五日
やっぱり停泊中。
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2014/08/03(日) 22:02:39.59 ID:dMtqDtw/0
一月 六日
昨日に同じ。
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2014/08/03(日) 22:03:31.89 ID:dMtqDtw/0
一月 七日
こんなに長期間足止めを喰らっていると、暇を持て余してきます。
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2014/08/03(日) 22:04:31.63 ID:dMtqDtw/0
そうそう、この地に滞在している間、いろいろなことがありました。
かいつまんで書き記すと、ある人が――名前は忘れましたが――
宴会に勝手に入ってきた挙句、下手な歌を詠み、ぬけぬけと返歌をもとめてきたのです。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/03(日) 22:05:18.66 ID:dMtqDtw/0
一月 八日
……いい加減出発したいです。
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2014/08/03(日) 22:05:59.85 ID:dMtqDtw/0
もしそれが海辺だったとしたら、
『波たちさへて 入れずもあらなむ』
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/03(日) 22:06:58.89 ID:dMtqDtw/0
一月 九日
やっと出発です。
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/03(日) 22:07:54.51 ID:dMtqDtw/0
沖へ漕ぎ出すと、すぐに海辺の人々の姿が見えなくなりました。
いざ別れるとなると、急に寂しさが湧いてきます。
もっとお話がしたかったなぁ……
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/03(日) 22:08:44.08 ID:dMtqDtw/0
やがて、宇多の松原を通りすぎました。
松の木がどれだけあるのか、いつからこの松はあるのか分かりません。
船中には、この景色の素晴らしさを歌に詠む人もいました。
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/03(日) 22:09:34.95 ID:dMtqDtw/0
すっかりあたりは暗くなり、西も東もわかりません。
船旅に馴れていない人は、夜は男性でも心細くなるようです。
ボクは真っ暗な景色が怖くなり、船底で泣いていました。
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/03(日) 22:10:47.17 ID:dMtqDtw/0
一方、船頭や楫取りたちは何とも思っていない様子です。
『春の野にてぞ 音をば泣く 若薄に 手切る切る
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